自宅録音は、マイク付きのパソコンが一台あればすぐ行えます。ですがこれだと宅録はできても、高音質な音源作成はできません。一般的なパソコンのマイクは「全指向マイク」で、屋外の風の音も、空調の音も、壁や天井に反射した音もすべて拾ってしまいます。自宅でのレコーディングで優れた音源作成を目指すなら、専門機材の購入が必要です。
必要な機材と道具
まず全指向マイクではなく、単一指向性マイクが必要です。
また自宅でのレコーディングでのクオリティをさらに上げるなら、録音や編集のためのパソコンのほか、DAWソフト(音楽制作ソフト)、オーディオインターフェイス(マイクをパソコンにつなぐための機器)、マイクケーブルやマイクスタンド、リフレクションフィルター(室内反響を抑えるアイテム)などが必要です。息による破裂音を抑えたい場合にはポップガードも必要です。宅録のため音源編集ソフトも必要になります。
パソコンの選び方とスペック要件
パソコンが自宅録音には必須ですが、DAWソフトなどは、平均的なスペックのパソコンで作動します。パソコンの頭脳に当たるCPUは最新のIntel Core i5かAMD Ryzen5以上、またメモリは8G以上でストレージは512Gあれば十分です。
初心者の方には、マイクロソフトのSurface Goがもち運びに便利でスペックもちょうどいいためおすすめです。ハイスペックなパソコンを求める場合にはより性能の良いSurface Proがいいでしょう。
マイクの種類と選び方
宅録で何を録音するかによって、選ぶマイクは変わります。ボーカル向きのマイクもあれば、ギターなど楽器用のマイクも存在します。またマイクにはダイナミックマイクと、コンデンサーマイクの2種類があります。ざっくり特徴を説明すると、ダイナミックマイクは感度が低くて比較的安価です。一方、コンデンサーマイクは非常に感度が高く、その代わり高価です。
初心者の方はmarantz ProfessionalのMPM-1000というコンデンサーマイクが使いやすく、1万円以下で価格も抑えめなためおすすめです。
また1万円を超えますが、Audio Technica(オーディオテクニカ)のAT2020というコンデンサーマイクも初心者には使いやすくおすすめです。
オーディオインターフェースの役割と選択方法
オーディオインターフェースとは、マイクや楽器などをパソコンにつなぐための機器です。一言で言えば、パソコンの音の出入り口です。このオーディオインターフェースがないと、ノイズが発生したり、音質が劣化したりします。高品質の楽曲を作るためには必要不可欠です。
選び方ですが、宅録で録音される音をよりクリアにしたい場合には、マイクプリアンプという、マイクでとらえた音が通過する際の装置に、こだわっているものを選ぶのがよいです。ですがこのマイクプリアンプの性能がよくなればなるほど、音質は良くなりますが価格が上がります。
初心者にはSteinbergのUR22Cがおすすめです。1万円台で性能が抜群なので、迷っているならこちらがいいでしょう。
またYAMAHAのAG03MK2も初心者にはお勧めのオーディオインターフェースです。
音源ソフトウェアの導入と基本的な使い方
宅録のためのソフトには様々なものがあります。Macであれば、Apple純正のソフトウェアとしてGarageBandがあります。音楽制作に必要な機能がギュッと凝縮されており、非常に使いやすく初心者にもとっつきやすいです。
使い方は簡単で、インストールされているGarageBandをタップかクリックで起動します。「プロジェクトを選択」から流れに沿って進めるだけです。
Windowsの場合、Adobe AuditionとiTop Screen Recorderをおすすめします。どちらも使いやすさが高く、便利です。
宅録の流れ
宅録では、まずマイクのセッティングが必要です。マイキングによって音が変わってしまい、また録音中にマイクが動き振動のノイズが入ることがありますので、マイクスタンドのねじが緩んでないかなどを確認しましょう。
続いてレベル設定です。音源の音が小さいと、ミキシングのとき音量を上げる必要があり、その際ノイズも大きくなるので注意が必要です。
肝心の録音の際には、部屋の反響を抑えるなど、ノイズが入らないようにする対策が必須です。このノイズは音源そのものにダイレクトに影響します。
最後、編集ですが、宅録のソフトを使ってイメージの音に近づけ、音源のトリミングなどをして完成させます。
宅録のコツと注意点
静かな環境を確保する
静かな環境の確保は必須です。ミキシングの際に音源の音量を上げると、ボーカルや楽器の音と一緒にノイズも大きくなりますので、ノイズが入らない環境は絶対確保しましょう。
トラックごとに録音する
トラックごとに録音をするのがベストです。原音が小さいために音量を上げて、予想外のノイズも増幅されてしまうことがあります。その際にトラックごとに録音をしていないと、すべてやり直しになります。
波形を見て編集する
音声データのトリミングなどを行う場合には、波形を見ながら編集すると非常にやりやすく、体感的に編集できます。波形を見ながら編集できるタイプの宅録のソフトを選ぶほうが音質のクオリティを上げやすいです。
まとめ
宅録はパソコンがあれば簡単に行うことができます。ですが宅録でハイクオリティの音源作成をしたい場合は、ノイズのない静かな環境のほか、マイクやオーディオインターフェース、宅録のためのソフトなどの用意が必須になります。またハイクオリティの音源作成には、上手にマイキングする手法や、波形を見て編集するソフトを使いこなす技術も必要となります。
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