動画編集を行う際には様々な問題が発生します。中でも動画ファイルの容量に関しては悩ましい問題の一つです。
このような時は動画を圧縮する方法が最善の手段となります。動画を圧縮すれば、ハードディスクの容量の節約につながります。加えて、納品時のファイルのアップロード時間も短縮できるでしょう。
現在、様々な動画圧縮ソフトが存在しており、どの圧縮ソフトが良いのか判断がつきにくくなっています。できれば動画圧縮ソフトは無料で入手したいと思うでしょう。
この記事では、動画圧縮ソフトのうち、無料で入手可能なソフトウェアについて7つご紹介します。どのソフトが自分にとって適しているのか知る事ができ、選択の幅も増える事でしょう。
動画圧縮をする際に考慮する事項
動画圧縮をする際に、以下の点について設定値の考慮をする必要があります。
・フレームレート
・解像度
・ビットレート
・音声サンプリング
・音声ビットレート
これらの設定値を大きくすれば画像の品質は良くなりますが、その分だけファイル容量は大きくなり、設定値を小さくすれば、ファイル容量は小さくなるものの画像の品質は落ちます。音声に関しても同様の事が言えます。
従いまして、ファイルサイズを小さくしたいからと考えも無しに設定値を下げてしまうのは動画のクオリティを落としてしまう危険性があります。そのため、設定については熟知した上で、細心の注意を払って行わなければなりません。
今回は以下の主要な動画圧縮ソフトについてご紹介します。
・iTop Screen Recorder
・Handbrake
・Any Video Converter
・Freemake Video Converter
・WinX Video Converter
・VideoProc Converter
・XMedia Recode
・MediaCoder
各圧縮ソフトの情報は下記の通りです。
iTop Screen Recorder
iTop Screen Recorderは録画ソフトですが、「動画圧縮機能」も実装されています。圧縮レベルを選択すとだけで、自動的に動画を処理できます。
このツールの動画圧縮機能の使い方がとてもシンプルで、4回のクリックで動画のサイズを小さくしてくれます。また、普通レベルの圧縮機能は無料でも利用できます。
では、iTop Screen Recorderで動画を圧縮する方法を説明します。
まず、iTop Screen Recorderを起動したら、「コンプレッサー」オプションを選択します。
次に、動画をドラッグアンドドロップして、追加してください。
動画を追加したら、圧縮レベルを選択し、「圧縮」ボタンをクリックすると、プロセスは完了されます。
本文では、圧縮レベルを「普通」と設定しました。圧縮前と圧縮後のサイズの変化は下図の通りです。
サイズは大きく縮小されましたが、動画の品質の劣化はほぼありませんでした。
・Handbrake
動画変換ツールですが、圧縮機能も使えます。Windows版、Mac版、Linux版が揃っています。オープンソースですが海外で制作されたソフトウェアのため、基本的にマニュアルは英語で記載されています。ただし、ユーザーインターフェースは日本語表記されています。
設定についてはビットレート、フレームレート、画像品質が対象です。フレームレートは固定フレームレート、可変フレームレートどちらかを選択する事が可能です。フレームレートは5から120まで設定が可能です。音声サンプリング、音声ビットレートの設定も変更可能です。
基礎的な知識があれば操作できますが、玄人向けです。
・Any Video Converter
無料動画変換、並びに編集を行うツールです。DVDの作成も可能です。Windows版、Mac版双方揃っています。 日本語対応しており、サポートセンターへ日本語で問い合わせる事が可能です。
フォーマット変換の他、動画結合、音声フィルタ、カラー調整なども可能です。
動画圧縮に関しては、フォーマットの変換が可能な他、解像度は50%から最大400%まで変更する事ができます。ビットフレームについても設定により変更する事が可能です。その他、フレームレート、解像度の設定変更を行う事ができ、音声サンプリング、音声ビットレートの設定変更も可能となっています。
簡易的な画面で操作が分かりやすくなっています。
・Freemake Video Converter
動画変換を行うツールです。対応するフォーマットはAVI、MP4、MP3、WMV、3GPなどと様々です。
出力設定で画質を変更して動画のサイズを圧縮できます。
アメリカの会社ですが、日本語に対応しています。Windows版のみ提供されています。
また、フレームレート、フレームサイズ、ビットレートなどの他、音声サンプリングなどの設定変換も可能となっています。
シンプルな画面ですが、設定変更箇所が画面上、やや分かりづらくなっています。しかし、慣れてしまえば容易に設定変更できます。
・WinX Video Converter
こちらも動画変換ツールとなります。画像変換も行う事ができ、日本語に対応しています。Windows版、Mac版両方共提供されています。 無料で使用する場合は一部機能に制限がかかっています。この点は注意が必要です。
フォーマットはMP4、MOV、HEVC、MPEG44、iPhone、Androidに対応しており、高品質、低品質を選択できます。まず始めに出力タイプを選択してから、各種設定値を変更します。
フレームレート、解像度、アスペクト比、ビットレートなどを変更する事ができ、音声についても音声サンプリング、音声ビットレート設定を変更する事ができます。ハードウェアエンコーダーを選択する事ができ、動画圧縮を高速で行う事が可能です。
・VideoProc Converter
VideoProc Converterは画面録画ソフトですが、動画変換機能も持ち合わせています。動画を追加した後、書き出し設定でフレームレート(FPS)や解像度を手動で変更すると、動画のサイズを小さくして、圧縮できます。
また動画のトリミングもでき、DVD変換なども行う事ができます。日本語に対応しており、Windows版、Mac版両方に提供されています。無料使用する場合は制限がかかっているため注意が必要です。MP4、MPG、WMV、AVI、SWF、3GP、VOB、MOVなどほぼすべてのフォーマットに対応しています。
Level3加速技術でビデオを処理する事ができます。ハードウェアアクセレレーションエンジンを持ち、NVIDIA、Intel、AMDのグラフィックボードを使用して高速変換を行う事ができます。
操作画面はシンプルで基礎的知識があれば十分に操作が可能となっています。
・XMedia Recode
XMedia Recodeは動画圧縮ソフトです。日本語に対応しています。(インストール時に日本語の選択肢がありませんが、インストール後の表示は日本語表示されています。)提供されているのはWindows版のみとなります。
MP4、WMV、WAV、SEF、3GP、VOBなど多数のフォーマットに対応しています。カラーモード、フレームレート、ビットレートなど複数の項目変更が可能です。音声サンプリング、音声ビットレートといった設定も変更できます。
画面は見やすく設計されており知識があれば操作は簡単ですが、初めは少し戸惑ってしまうかもしれません。
・MediaCoder
MediaCoderは動画変換ソフトですが、動画変換する際に各種設定を変更する事で圧縮を可能としています。日本語には対応していません。(オプション設定には日本語がリストアップされていますが切り替わりません。)Windows版のみ提供されています。
ビットレートなどの設定が可能です。音声ビットレートの設定なども変更可能となっています。バッチ処理が可能で、並列処理が可能となっています。
動画に関する設定項目はやや少なめになっています。
途中で一時停止する事ができますが、その後エンコードを続行できなくなるため、基本的には使用しない事をお勧めします。
画面自体は分かりやすいですが、英語が苦手な人は苦労するかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一口に動画圧縮用ソフトウェアと言っても様々なソフトウェアがある事がお分かりいただけたかと思います。そのどれもが、それぞれ特徴を持っています。
選択するポイントとしては、
・解像度、ビットレート、フレームレート、音声ビットレート、音声サンプリング設定など自分が必要とする設定項目が存在するか
・ファイルフォーマットは自分の希望するフォーマットで出力可能か
・ユーザーインターフェース、操作手順などが分かりやすいか
・動画圧縮だけ行えればよいのか、編集作業なども行うのか
・日本語サポート有無
となります。これらのポイントに着目して選択するようにしましょう。
動画圧縮ソフトについては今回取り上げたもの以外にも様々なものがあります。自分で調べてみて実際に使用する事で、自分に合ったソフトが見つかるかもしれません。ぜひ一度調べてみる事をお勧めします。
ソフトウェアの選択によっては、かえって手間がかかってしまう可能性もあります。そのような事態にならないためにも、この記事が自分にとって適切な動画圧縮ソフトの選択の一助となれば幸いです。
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